
「毎日の食事で、少しでも自分の体を内側からいたわってあげたい」 「デリケートな気道のために、どんな栄養を意識すればいいのだろう」
部屋の空気や寝具といった「外側の環境」を整えることの大切さはこれまでお話ししてきましたが、それと同じくらい大切なのが、私たちの体を作る「内側の環境」、つまり毎日の食事です。
もちろん、特定の食べ物やサプリメントを摂ることで「喘息が治る」ということは絶対にありません。医療行為ではない以上、お医者さんから処方される正しいお薬(吸入薬など)を毎日コツコツと続けることがすべての土台です。
しかし、時間との闘いの中で忙しく働く大人だからこそ、日々の食の選び方ひとつで、毎日のコンディションを上手にマネジメントしていくことは可能です。今回は、40年この体と付き合ってきた私が、日々の食生活の中で意識して摂るようにしている「健やかな気道を支える栄養素」についてお話しします。
毎日のコンディションを支える、3つの注目栄養素
私が日々のメニューを選ぶときや、足りない分を補うときに目安にしている、体づくりに欠かせない栄養素を3つに絞ってご紹介します。
① 「ビタミンD」— 守る力を内側からサポートする
ここ近年、健康維持の分野で非常に注目されているのが「ビタミンD」です。私たちの体が本来持っているディフェンス力をベースから維持するために、とても重要な役割を果たしてくれています。
- 多く含まれる食材:鮭(サケ)や鯖(サバ)といった魚類、しいたけやキクラゲなどのきのこ類。
- ワンポイント:ビタミンDは日光を浴びることでも体内で作られますが、オフィスワークなどで1日中室内にいることが多い現代人は不足しがちです。私は毎日の食事に意識して魚を組み込むようにしています。
② 「マグネシウム」— スムーズな毎日を優しく助ける
マグネシウムは、私たちの体の中で数百種類もの酵素の働きを助けている、隠れた実力派のミネラルです。体を構成する様々な組織の「スムーズな働き」やリラックスを優しくサポートしてくれる、大人にこそ欠かせない栄養素です。
- 多く含まれる食材:豆腐や納豆などの大豆製品、アーモンドなどのナッツ類、ほうれん草、海藻類。
- ワンポイント:お味噌汁に豆腐とワカメを入れたり、小腹が空いたときに素焼きのナッツを数粒つまんだりするだけで、忙しい日常でも手軽に補給できます。
③ 「オメガ3系脂肪酸」— 良質な油でバランスを整える
油の質を選ぶことも、デリケートな体と上手につきあうための大切な知恵です。普段の料理で使いがちなサラダ油(オメガ6系)に偏りすぎると、体内のバランスが乱れやすくなります。そこで意識して摂りたいのが、バランスを穏やかに整えてくれる「オメガ3系」の良質な油です。
- 多く含まれる食材:マグロやイワシなどの青魚の脂、アマニ油、エゴラ油。
- ワンポイント:青魚を食べるのが難しいときは、仕上げのスープやサラダにアマニ油を小さじ1杯「生でそのまま」サッとかけて摂るのが、私の実践している手軽な工夫です。
まとめ:100点を目指さず、日常に「ちょい足し」する
繰り返しになりますが、これらは薬ではないため、飲んだからといってすぐに何かが変わるものではありません。お医者さんの武器をしっかり携えた上で、「自分の体を内側から健やかに保つための、長期的なベースキャンプ作り」だと捉えてみてください。
忙しい毎日の中で、完璧な栄養バランスの自炊を続けるのは不可能です。 「今日は魚の定食にしてみようかな」 「おやつをスナック菓子からナッツに変えてみよう」
そんな、日常のちょっとした「選び方の意識」を重ねていくことこそが、自分で自分の体をコントロールしているという確かな自信に繋がります。ぜひ、あなたの毎日のテーブルに、健やかさを支える栄養を優しくちょい足ししてみてくださいね。
次回は、第3章の環境・ライフスタイル編を締めくくる最後のテーマです。 「発作が起きない『平穏な毎日』をデザインする習慣」についてお話しします。
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