
「雨が降る前になると、なんだか胸がザワザワして重たくなる」 「台風が近づいてくると、いつも以上に息苦しさを感じやすい気がする」
梅雨の長雨の時期や、秋の台風シーズン。空が暗くなってポツポツと雨が降り出すと、なぜか体調までどんよりと重くなってしまう……。これは、長年デリケートな気管支と付き合ってきた私自身も、毎年のように肌で感じてきたリアルな悩みです。
「気のせいかな」「自分の気持ちがたるんでいるだけだろうか」と自分を責めてしまう大人の声をよく聞きますが、決してそんなことはありません。
天気や気圧の変化は、私たちの体にしっかりと影響を与えています。今回は、自分では変えることのできない「天候」という大きな波と、どうやって上手に向き合い、日々の主導権を握っていくかについて、私の経験をお話しします。
なぜ雨の日や台風の前に「胸の重み」を感じるのか
天気が崩れるとき、私たちの周りでは「気圧の低下」と「湿度の急上昇」という2つの大きな変化が同時に起きています。
① 気圧が下がると、体は内側から膨らむ
気圧が下がるというのは、簡単に言うと「空気から体にかかる圧力が弱まる」ということです。ポテトチップスの袋を登山口などの標高が高い場所に持っていくと、パンパンに膨らみますよね。あレと同じような現象が、実は私たちの体の中でも起きています。 気圧が急激に下がると、血管やリンパ管、そしてデリケートな気道まわりの組織がほんのわずかに膨張しやすくなり、それが独特の「胸の重み」や「空気の吸いづらさ」として感じられることがあるのです。
② 自律神経のスイッチが乱れる
私たちは普段、活動するための「交感神経」と、リラックスするための「副交感神経」が交互に切り替わることで体調を保っています。しかし、急激な低気圧やジメジメした高い湿度は、このスイッチを無意識のうちに狂わせてしまいます。 特に、体を休めるための副交感神経が過剰に優位になりすぎると、気管支がいつもよりデリケートな状態になりやすいと言われています。
40年の経験でたどり着いた、天気の波に振り回されないための知恵
天気をコントロールすることは誰にもできません。だからこそ、私が大切にしているのは「敵(天気)が変わらないなら、こちらの受け止め方と過ごし方を変える」というシンプルな戦略です。
1.「気圧予報アプリ」をスマホの相棒にする
かつての私は、体調が重くなってから「あ、今日雨だからか……」と後手後手に回っていました。しかし今は、気圧の変化をグラフで見える化してくれるスマホの予報アプリを毎日のようにチェックしています。 「明日の午後は気圧が大きく下がるな」とあらかじめ分かっていれば、その時間帯の仕事のペースを少し落としたり、大事な予定をずらしたりと、先手を打ってスケジュールをコントロールできます。「しんどい理由」があらかじめ分かっているだけでも、心には大きな余裕が生まれるものです。
2.雨の日は「絶対に無理をしない」と決める
忙しい大人だからこそ、「調子が悪い日でも頑張っていつも通り動かなければ」と思ってしまいがちです。ですが、気圧の波が激しい日くらいは、自分を労ってあげる「引き算」をしてください。 仕事の手を少しだけ抜く、激しい運動は控える、夜は早めに布団に入ってゆっくり休む。天気の悪い日は無理をして100点を目指すのではなく、「今日は50点くらいで無事に乗り切れば大成功」と、自分へのハードルを下げてあげることが、大人のサバイバルにおける賢い知恵です。
まとめ:お医者さんの武器をベースに、自分のペースを守る
こうした天気の波を穏やかに乗り切るためにも、病院の呼吸器内科で先生から処方されている正しいお薬(吸入薬など)を、調子が良い日も悪い日も毎日コツコツと続けておくことが何よりも大前提です。毎日のベースがしっかりしているからこそ、天気の急な変化という揺さぶりにも耐えられるようになります。
天気予報で雨マークを見たときは、どうか落ち込まないでください。 「よし、明日は無理をせず、自分の体を一番に労って過ごす日にしよう」 そうやって自分のペースの主導権を自分で握ることこそが、毎日を健やかに、笑顔で生き抜いていくための最大の秘訣です。
次回は、環境シリーズの最後として、季節を問わず私たちが付き合っていくことになる「あの冷たい風」についてお話しします。 「【エアコンの死角】冷気による刺激と内部の汚れ対策」です。
夏や冬に欠かせないエアコンですが、その冷たい風や、中で育ってしまったカビがもたらす意外な盲点と、私が実践している対策についてお伝えします。引き続き、一緒に学んでいきましょう。
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